こばやし方南町歯科かわら版 第6…
生活習慣病とくに糖尿病と歯周病とのかかわりについて
糖尿病の患者さんは、白血球の働き(細菌やウイルスを殺す力など)の低下、糖代謝の異常により血管がもろくなり、またコラーゲンの代謝異常などにより、歯肉が弱くなっています。さらに糖尿病にみられる特有の唾液量が少なくなり、口の中が乾燥して、自浄作用(口の中を洗い流す力)が減少します。
このため歯周病原菌が停滞しやすくなり、歯周病が急速に進行(悪化)して、膿を持ってはれたり、出血したりします。
歯周組織の反応は鈍く、傷の治りも悪くなります。このため健康な人と比べてわずかなプラークにも歯周組織は炎症を起こしやすく、治癒も遅くなります。
徹底したプラ−ク・コントロ−ル( 歯磨き)が必要です。
糖尿病は、専門医による治療が必要です
糖尿病の治療は、専門医による糖尿病の治療を受けて、血糖値をコントロールする事が大切です。重症化、長期化すると、腎不全や失明を招きやすく、 生命に直接かかわる心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクが高くなります。
こうした合併症を防ぐためには血糖値を下げるだけではなく、血圧や血液中の脂質の量を押さえる必要があります。
糖尿病の時は、お口の手入れをどのようにしたら良いか
まず糖尿病をコントロールすることから始めます。
これと平行して口腔ケアに取り組みます。多くの場合、急性症状を起こしていますので、抗菌剤の内服、うがい剤、症状によりステロイド剤の内服や塗布により急性期の症状の改善を図ります。(お口の中の主な症状は、かわら板第5号に掲載してあります。)
糖尿病患者さんの歯周病治療の基本は、自己管理としての歯磨きの徹底、また歯面清掃や歯石除去等のクリーニングなど定期的な専門的管理が必要です。